太陽 ENGINET | 七福神蓄財倶楽部 月

私が見た、夢でもなく現実でもない世界

目次 001


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なぜか私は戦後まもない昭和の頃の風景を目にしていた。私は、老人の郷愁と結びついた過去の記憶の世界に滑り込んでいたのだ。
白亜の宮殿に入ると老少年の姿をした仙人に会えることを私は知った。しかし、一直線に眼もくらむような高みに至る階段を上ることに恐怖してしまった。
永劫に輪廻する列車は、無限にくり返される宇宙を映し出していた。それは存在の原理によって動いているのだった。それは神々でさえも知り得ないからくりだったのである。
私は、秘密結社"Don't think about the human being thinking."(人間の考えることは考えない)の会員であった。それは、今や盤石の地歩が築かれ、地球を支配する勢いを見せるピラミッド支配構造に戦いを挑むための結社であった。いったいどのようなしくみで、こんな言葉が私の意識に入り込んできたのだろうか。
宇宙は顔であることを神社の神は解き明かした。太古の昔から人類が知っていた三つの顔が世界を自在に支配するのだ。これこそはあらゆる呪術と魔術の根本である。
ブルーの髪に金色に光る眼をした不思議な少女。それは柳田国男の描くざしきわらしの世界そのものであった。与える者が与えられる、幻夢が現実と交錯した話。
チチブの守護神デエダラボッチデエダンボウによって幻出された摩訶不思議なビジョン。子宮の扉を開閉して、死後の世界との交流をする。それは縄文時代の心象風景であった。
問答無用に信者たちを殴り飛ばす仁王。過酷な試練なしに法華経の世界に入っていくことは出来ない。しかし、それを乗り切ると前代未聞の法華経の秘儀が解き明かされるのだ。自己のために生きる、それが最も高度な生き方だったのである。
私はなぜかサラリーマンになっていた。そして豹になった女上司に追われるうちに、なぜか狸の姿をした回転木馬になってしまった。身動きのとれなくなった私に出来ることは考えることだけだった。考えに考え抜き、ついに回転木馬から脱出することを得たのである。
自由に憧れながら挫折した二人の天才。いったい何が原因だったのだろうか。友人の催したまやかしの降霊会をきっかけにして、太宰治の幻夢を経験することとなった。彼の口から明かされる芸術と宗教のしくみ、そしてビジネスとの共通点。
両親を殺したものが招かれ、胎児を会食する不可知のレストラン。そこで私が体験したのは、曼荼羅の真髄そのものであった。曼荼羅とは決して概念化され得ない真理を、あらゆる概念を使って指し示すためのテクノロジーであった。